きっかけ・はじまり
やりがいのあるプロジェクトだからこその責任感。
プロジェクトについて教えてください。
PCSと呼ばれるダイアモンドヘッドが開発した商品管理システムにおきまして、近年発達の目まぐるしいAI技術を用いて業務効率を改善するというプロジェクトです。
アサインされた経緯を教えてください。
ダイアモンドヘッドでは、AIを積極的に使っていこうという風潮がありまして、既に自分が入社した時には機械学習系に詳しいエンジニアがインターン生を受け入れ、PoCを行う制度は既にありました。私は大学院で研究をしており、AIにも興味があることを入社時に伝えておりましたので、入社後に声をかけていただき、その活動に参加したという経緯です。
プロジェクトの話を聞いた時にどう思いましたか?
面白そうだと思いました。大学院では、テーマは決まっているものの、ある程度やるべき道が見えていましたが、今回のプロジェクトでは、やるべき道そのものから決めるという話だったので、新しいチャレンジにぜひ取り組んでみたいと思いました。
プロジェクトに対してどのような印象を受けましたか?
裁量がある反面、非常に難しいプロジェクトだと思いました。例えば、部署間のやりとりや、企画、技術的に実現可能かの調査など、総合力が試される仕事だという印象でした。
現状のAI技術でどこまでできるか、そしてその精度について明瞭に説明し、どこが業務効率化できるかの認識のすり合わせが重要なポイントになると感じましたね。
どのようにしたか
綿密なコミュニケーションで課題を明確にする。
業務はどのように進めましたか?
基本的にはインターン生が研究で培った知見をもとに、それが活用できそうな課題を私の方で作成してインターン生に取り組んでもらいました。その中で、AIの中にもこの領域が得意、不得意、というのが見えてくるので、役に立ちそうな技術は何か、の認識合わせをチーム内で認識共有を都度行っていきました。
また、毎日朝会を実施し、昨日やったこと・今日やることをインターン生を含め他メンバーと明確にすり合わせます。認識のずれがあればすぐにディスカッションを行いました。
最低でも1人10分、必ず1日のうちに会話して、密にプロジェクトを進行しています。
制作中に難しいと感じたことはなんですか?
「研究で役に立つ」と「業務で役に立つ」は似て非なるなるものだということです。
例えば研究では、「新しいことができること」が重要視されますが、業務では「精度」が重要視されます。
極端の例だと、AIの成功率が50%だった場合、失敗するか成功するか分からないので、結局人間が目を通したり、修正する必要があります。そうすると、コストをかけてAIを導入する意味がないのでは?という話になります。
そういった、研究ベースでのアイディアは面白いものの、現場で活用すると難しいという場面が何回もありましたね。
制作において心がけたことや気をつけたことはありますか?
まずは精度と、それに見合う費用対効果が取れているかということです。
精度は99%は譲れません。しかし、業務効率により浮いた工数よりもコストがかかるのであれば、導入する意味はありません。なるべく精度が高く、なおかつ運用コストが安く済むという点を常に心がけてPoCを行いました。
コミュニケーションにおいては、何よりも「前提」を大事にして会話を進めていました。チームには学生(インターン生)もいるので、自分の中での「当たり前」を基準にせず、前提となる認識を合わせることが重要だと感じます。
また、チームの良い関係性に保つために、業務に直接関係のない話も織り交ぜることも意識しています。ダイアモンドヘッドにはウェルカムランチという制度があり、一緒にランチに行くことでチームコミュニケーションの基盤づくりを行うことができました。良い関係性で業務に臨めたと思います。
何をしたか
最適なソリューションを導く難しさを実感。
成果物について教えてください。
PCSと呼ばれる商品管理システムに、人物識別機能を実装しました。
PCSに登録されている画像に対して人物識別を行い、すでに登録されている人物であれば、自動的に商品情報に「人物の情報」が紐付き、登録される機能です。
成果物について教えてください。
PCSと呼ばれる商品管理システムに、人物識別機能を実装しました。
PCSに登録されている画像に対して人物識別を行い、すでに登録されている人物であれば、自動的に商品情報に「人物の情報」が紐付き、登録される機能です。
これまでは、手動で人物の情報を入力するという形を取っていました。しかし、今後は、ボタンひとつで自動でAIが人物識別を行い、情報が入力されます。それにより、情報登録の精度が高まり、工数も大きく削減できるようになります。
この機能に対する評価はどうでしたか?
上司やPCSを取り扱う現場のスタッフからは高い評価を頂いたと思います。特に現場のスタッフは喜んでくれています。
初めて機能を披露してからは、前のめりで実装に協力して頂きまして、この機能が待ち望まれているんだと実感が湧きましたね。
これから
プロジェクトを振り返って学びや気づきはありましたか?
実を言うと、今回の人物識別機能はボツ課題のひとつでした。
機械学習の観点から見て、人物識別機能はそこまで目新しくなく、どちらかというとすでに確立された技術なので、チームとしては「最先端の技術じゃないことに取り組むのはいかがなものか」という扱いでした。しかし、ある日の会議で、現場を知る上長から「人物識別機能は現場で必要性がある」と助言いただき、開発を本格化させることになり、それ以降はトントン拍子にプロジェクトが進みました。
最新の技術を使うことが目的化してしまい、私を含め、チーム自体が現場の苦労に向き合うことができていなかったのです。
AI活用というテーマは情報量が多く、新しい技術がもてはやされる傾向があります。
もちろん、新しいことを取り入れることは重要ですが、それ以上に、「現場の課題を解決する意識」というのがとても大切だと強く感じました。
今後、このプロジェクトがどのようになって欲しいと思いますか?
PCS(商品管理システム)に対し、曖昧な言葉でも検索可能な「曖昧検索機能」を実装できればと思っております。こちらも最新の技術ではなく、確立されているものだと思いますが、現場で必要との声が上がっております。
エンジニアとしては最新の最先端の技術を使いたいという欲求がありますが(笑)、
手段を目的化せずに、現場レベルで役に立つ機能を開発できたらと思っております。